転職|天職に出会いたい人のヒントになる転職応援メディア

天職に出会いたい人のヒントになる転職応援メディア

天職に出会いたい人のヒントになる転職応援メディア

経験者が語る「経営状態が危うい会社の見分け方」

転職は自分の人生を作り直すことです。誰もが、転職でリセットした新しい生活に明るい未来を予想しているでしょう。
ですが、せっかく転職をしても、その会社の経営状態が危うかったらどうでしょうか。
「経営が危ない会社が人材募集をすることなどないだろう」と甘く考えてはいませんか。
じつは、倒産の危機に瀕している会社が求人をしていることは、珍しくないのです。
転職後数年たってみてから、当時自分が応募した会社がどうなったかを調べてみると、今も残っている会社のほうが少ないことに気づかされます。
当サイトには「後悔しないための会社の見分け方」という記事もありますが、ここでは筆者の実体験をもとに、経営状態が危うい会社を面接で見分ける方法をご紹介します。

転職したての面接官が出てきたら、その会社は危ない

もし面接を受けた会社が従業員50人以下の会社で、面接を担当した社員が30~40代の働き盛りで、かつ面接に慣れていない様子だったら、その会社には注意したほうがいいかもしれません。
かくいう筆者は、倒産した会社に勤めていたことが二度ほどありますが、そのどちらの会社でも、倒産の3か月前まで、5人程度の中途採用を何度か行っていました。
そして倒産直前の面接官が、「30~40代の働き盛りで、かつ面接に慣れていない」人物だったのです。

そういった人物が面接をする理由は、ずばり、経理の人間が辞めたからです。
転職サイトのアドバイス記事などを注意深く読むと、「倒産しそうな会社は、まず経理の人間が辞める」とう記事があると思います。筆者が経験した会社も、まさにその通りで、倒産直前に面接を担当していたのは、総務部長として入社したばかりの人でした。

面接官が不慣れな理由

上述のような人物が面接をする理由は、本来あるべき「人事部」という独立した部署がないからです。従業員が50人以下の会社は、総務・経理・人事などの機能をひとつの部署が行っていることが多いでしょう。これらの仕事を5人くらいの社員がざっくりと担当しており、「俺は人事の仕事だけをやるんだ」という社員はおそらくいないと思います。

そうした規模の会社で、経理を担当している人間が辞めてしまった場合、経営が危ない会社はどうするでしょうか。
辞めてしまった経理担当者は募集しません。募集するのは、まず総務の担当者です。そして昔から会社にいる社員の一人を経理の担当者に決めるのです。
しばらくすると、またその経理担当者が辞めてしまいます。また次の経理担当者を決め、また辞める……こうした負の連鎖が始まるのです。
こうして、私がいた上述の会社では、今まで人事の仕事など一度もやったことのないような総務畑の中年男性が面接を担当していたのです。

採用部署がピリピリしている

ある程度大きな会社の中途採用だと、おそらく二次面接か三次面接の段階で、採用部署の現場責任者やメンバーが、あなたを面接することになります。

私が大手ゲームメーカーの中途採用に応募したときに経験したことを紹介しましょう。
そこの三次面接は、採用部署の4人が面接官でした。50代の眼鏡の男性がトップで、その下に50代、40代、そして20代の若い男性という部署でした。
面接は、おだやかな雰囲気で行われました。
しかし面接をしながらでも、どうやら20代の男性がイジメを受けていることが伝わってきました。もしかしたら、彼が辞めるから求人をしていたのかもしれません。

応募者の前でとりつくろう余裕

その社員がイジメられていたことが、経営状態の危うさと直接関係があるのかどうかということは、いちがいには言えません。まったく関係がないことかもしれません。
しかし、面接にやって来た社外の人間の前で、平然とイジメを行っていた彼らの心理状態は、経営の悪さと関係があるのではないでしょうか。

面接を受けに来た人は、採用されるまでは仲間ではありません。
応募者の前でとりつくろう余裕のない人たち、そして会社は、経営状態が危ういと思ってもいいと思います(そもそもそんなピリピリした職場に転職したくないですよね)。
ちなみにその会社は、別のゲーム会社に買収されました。そして面接を受けたその部署の業務はなくなってしまいました。

危なくない会社はここが違う

別なゲーム会社で、現場の社員たちの面接を受けたことがあります。
歴史のある大きなゲームメーカーでしたが、ネット上では様々な悪い評判がありました。そうした悪評は今でも変わりませんし、経営状態についても、倒産するのではないかと言われ続けています。
でも、この会社が倒産することはありませんでした。むしろ経営状況は好調と言ってもいいでしょう。

羨ましい職場だと応募者に思わせる面接

そんな会社の二次面接は、採用現場の責任者とその部下、そして人事部の方の3人でした。
この3人は、とても仲が良いように見えました。質問なども非常に息の合った連携がなされており、ちょっと圧迫気味なほどだったので、こちらとしては苦い思いをしてしまいました。
彼らの仲が実際に良いのかはわかりませんが、少なくとも面接を受けた筆者の目には、仲良くうつりました。
特に現場責任者とその部下は、年功序列で縦社会の大企業の上司と部下そのものの関係で、厳しい上下関係はあるものの、それでも一緒に笑い、ともにうなずきあい、同時に首をかしげるといった感じで、憎たらしいほど息が合っていたのです。
前述のゲーム会社とは正反対です。こんな職場で働きたいと私は思いました。大企業ならなおのことです。

この面接のポイントは、採用現場の人たちが、応募者が羨むような職場ということを演出している点です。しかも圧迫気味の面接をしているわけですから、応募者に媚びているわけではありません。良い人材を採用したいという気持ちが、純粋に表に出ていたのです。
そうです。彼らは、「良い人材を採用したい」という、よく考えれば当たり前の心理状態で、面接に臨んでいたのです。
そのことこそ、会社の経営状態が健全であるなによりの証拠になっていました。

まとめ ~面接時に担当者の様子をチェックしよう

先述したように、筆者は2度、倒産した会社での勤務を経験しています。
会社が倒産することは直前まで知りませんでした。それでも、今思い返してみると、妙な違和感は感じており、以前のように仕事に没頭できる環境とは言えないものでした。少なくとも「良い人材を採用したい」という熱い気持ちはなかったです。他の社員も皆そんな雰囲気でした。当時はそんなことを考える余裕はなく、無自覚でしたが……。
もし面接を受けたら、採用現場の社員たちを注意深く観察してみてください。経営状態が危うい会社なら、きっとどこかに注意力が散漫な様子を発見できるでしょう。