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面接は、企業の意図を知ればあやうからず

面接は、企業の意図を知ればあやうからず

転職は新卒の就活よりも、はるかに狭き門になります。
そこでの面接、どんなことを聞かれるのだろうか、どんな雰囲気なのかと不安が募ってしまいますよね。
しかし、企業側から見ても同様のことがいえるのです。どんな人物なのだろうか、仕事はできるのか……。
応募書類等の情報しかない企業は、面接において、あなたについて様々な情報収集を行います。
その企業側の意図を知り、その対策を講じた応対が、転職成功への鍵となることは言うまでもありません。
ここでは転職面接に有効となる、知っておくべき企業側の意図を解説します。

転職面接の舞台裏

採用者は、すでに決まっている!?

ややショッキングな見出しを付けましたが、これはあくまでも応募書類、エントリーデータ上でのこと。
中途採用では、書類選考を通じて、配属予定のポジションを想定した、年齢、職務能力、経験、関連資格の有無などの観点から、採用候補者を絞り、あらかじめその順位を決めているのが実情です。ここで失敗しないように、「門前払いされないための正しい求人応募とは?」面接に呼んでもらえる志望動機は、何を書けばいいの?」という記事も掲載していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
面接は対話を通じて、その情報で得た先入観に対する実際の人物との相違を確認し、最終順位を確定することを目的としているのが一般的です。

勝負は一次、二次面接

面接は企業規模や募集職位などによっても異なりますが、通常2~3回は実施するものと考えておきましょう。
最終の面接には、社長や役員などの経営的立場の人が登場してきますが、ここまで残った人は、よほどの失態を演じないかぎり、ほぼ内定に近いと考えられます。
つまり、勝負を賭けるのは、人事担当者、現場の部門長など、実務者が面接官となる一次、二次面接ということになります。
ここで企業側の意図を踏まえた対策、対応を講じておくことが、好結果に結びつきます。

企業になじむ、ふさわしい人物?

一方的な自己PRは効果薄

応募書類、エントリーデータにおいて、企業は、あなたの能力や志望動機、自己PRの内容を概ね把握しています。
したがって、面接では、その部分について深く聞かれるケースはそれほど多くはありません。だからといって、その部分に自ら触れ、熱心にアピールしても効果的とはいえません。
一次、二次面接で重視されるポイントの一つは、あなたがその企業の「社風」「企業風土」になじめる、ふさわしい人物かどうかです。
社員でもないのに「社風」「企業風土」なんてわからない、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。HPや募集要項などをよく読んでみると、その企業の社風や風土がわかるキーワード、事業活動の姿勢が表されており、ある程度はそれらの情報でつかむことはできるのです。

企業の性格、体育会系企業、文化系企業?保守系、革新系?

企業文化100%とは言いきれませんが、企業の性格を分類することは可能です。
例えば、次の系列を対極にした4象限図を描いてみましょう。
社員旅行や懇親会など、福利厚生的な内容で社員の団結や和を大事にする企業は体育会系
商品や、製品について、その価値や性能などの詳細情報を綿密に掲載する企業は文化系
また、経営理念、社長挨拶といったところでは、壮大なテーマで抽象的な内容ならば保守系
より具体的に目標値や実績などを掲げている内容ならば革新系
こういった対極を象限図の強弱に位置づけることで、企業の性格が表され、その性格が社風、風土を形成する根幹となっています。面接前の企業研究は当然されているとは思いますが、こうした観点での研究も視野に入れておきましょう。
このことによって、その企業の社風、風土に合う、合わないは、あなたが一番わかるはずです。ただ、その企業への就業意志が強くあるならば、社風、風土にマッチするあなた自身の演出も必要かも知れません。

長~く、勤められるのか

中途採用、企業側も正直、面倒なのです

企業が中途採用を行う理由は、だいたい、二つあります。ひとつは事業拡大のための増員、もうひとつは欠員による補充です。
事業拡大による増員の場合は、募集要項にそう記載されていることが多く、そういった文言が見当たらない場合は欠員補充と考えられます。転職面接においては、そうした求人背景を理解しておくことも必要です。
企業にとって、中途採用は、新卒などの定期採用とは異なり、ある意味では「余計な業務」といえます。募集のための予算が別途必要となる場合や、任される担当者は、急ぎの業務であるため、優先的に取り組まざるを得ず、自身の本職業務の時間がとられ負担感が多いと考えられるからです。

企業の意図を踏まえた退社理由とは

こうした企業側の背景を理解すると、面接での意図は明確です。
つまり、採用したからには、「長くウチで働いてください」という一点に尽きる、といっても過言ではないのです。
このことから、担当者が注目するのは退社理由。あなたに興味があれば、ほぼ100%質問されます。
“ネガティブな理由”で転職を決意していませんか?という記事にも書きましたが、そもそも、「前向きな退社理由」など、普通ではあり得ません。そのへんは担当者も重々承知しています。
「退社理由」という、あまり答えたくないことを聞く背景には、あなたの一種の対応力を測る狙いとともに「長くウチで働けるか」といった企業側の意図が込められています。この意図を踏まえた、志望、転職理由などを絡めた前向きな話題に転換する対応力が求められます。
面接で答えにくい質問に答えるための13のアドバイス転職回数を気にしている人のためのアドバイスよくぞ聞いてくれました!面接はラストの逆質問で勝負をキメる ~サンプル137質問などの記事も参考にしてください。

まとめ ~面接で測られているのは、あなた自身の「耐性」

面接は、あなたがその企業で就業するための意欲や熱意を表現する場ではありますが、転職面接では、企業側の意図を考慮しない一方的な応対をしてしまうと、たとえどんなに優秀な人材であっても、残念な結果になってしまいかねません。
面接では、社風、風土になじめる、ふさわしい人材か、長く勤められる人材か、といった要素が企業側の必須課題となります。そしてあなたの応対は、それらの必須課題に対する、あなたの「耐性」を測られています。

企業は一つの社会です。入社すれば複雑な人間関係が発生します。企業の社風、風土には独特な慣例、慣習があり、それによって、職務においてストレスや重圧もかかるでしょう。時にはモラハラ、パワハラまがいの出来事にも遭遇するかもしれません。
面接で求められる根本は、その企業の社風、風土に適合し、長く勤められるあなたの「耐性」です。
採用候補者の一人であるあなたの職務能力は、すでに評価されています。面接においては企業側の意図を知り、なおかつ、応対には、その意図をくむ豊富な「耐性」を保有していることを示すのが重要なのです。
そうした耐性があなたに備わっているということが明確になれば、企業は、あなたへの期待感に加え、さらに安心感をもつことができ、内定獲得への道は開けていくと思っていいでしょう。
また、後悔しないための会社の見分け方でも書いた通り、面接は「お見合い」であり、あなたの側が企業を見きわめる大切な機会でもあります。ぜひ有意義な機会として活用してください。