よくぞ聞いてくれました！面接はラストの逆質問で勝負をキメる　～サンプル137質問

「弊社について何か質問はありますか？」
面接は質問されて答えるだけと思ったら大違い。たいてい、面接の最後にこう聞かれます。
用意をしておらず、うまく聞くことができない人も多いかもしれません。
「こちらから聞くことは、べつにない」
「質問なんてしなくても、こちらは入社したいと思っているわけだし…」
そんなふうに思う方もいるかもしれませんが、この「逆質問」もまた面接の一部です。
どんな質問をするかということで合否が決まることもあります。
あまり盛り上がらなかった面接でも、うまく質問することで自分をPRすることにもつながります。

なぜ逆質問をするのか

面接している企業の側が、志望者に質問を求めるのはなぜでしょうか。

応募者に自社のことを知ってほしいから

後悔しないための会社の見分け方という記事にも書いた通り、面接はお見合いであり、一方的に企業側が志望者を判別するのではありません。志望者の側も、自分が働くのにふさわしい会社なのかということを判断する機会でもあります。志望者に面接の機会を与えるというのは、そのようなフェアーな立場であるということを企業として理解していることを示す意味もあります。

応募者が自社に合うかどうかを判断する

「何か質問」と言われると、自由に何でも聞いてかまわないように聞こえますので、応募者は一番知りたいことを聞きます。それが自社の社風と合った疑問かどうかということで、会社とのマッチ度を確かめるという意図があります。

応募者の意欲をはかっている

企業側からすると、応募者は自分の会社だけを志望しているとは思っていません。その中で、自社を志望する本気度はどのくらいなのかということを知ろうとしています。
質問の内容がおざなりであったり、特に聞きたいことがないようであれば、あまり本気ではないのだろうと判断しますし、深い質問が飛び出してくれば、本気で自社に入社するつもりがあると判断します。

応募者のコミュニケーション能力をはかっている

面接はえてして質問と答えという一方通行になりがちです。コミュニケーションには自発性も必要ですので、その機会を応募者に与えたときに、相手がどのような発言をするか、スムーズに対処できるかということは、その人のコミュニケーションを判定する良い機会になります。

「特にありません」と答えるのがダメな理由

緊張していたり、何も準備していなかったりといった理由で、「特に何もありません」と答えてしまうケースが多く見受けられます。しかし、これは面接している側が期待している答えではありません。

自分をアピールする貴重な機会だから

「何か質問はありますか？」という言葉は、考えようによっては、非常に自由度の高い質問です。また、たいてい、そのように聞かれることがわかっているわけですから、十分に質問を準備しておくことができます。そういった点で、他の面接の質問とは大きく違います。
ですから、企業に対して質問をする際は、その質問によって自分が何を伝えたいのかということを、あらかじめ明確にしておきましょう。
とにかくやる気を伝えたいのか、自分の長所なのか、自分がしたいことなのか。
そのようなゴールを決めておくことで、どんな質問をするべきかということが決まります。
質問には、必ず自分の考えが明確に伝わるような言葉を入れましょう。

その企業に入りたいという気持ちを疑われるから

上にも書いたように、企業側は応募者の本気度をはかろうとしています。
「特にありません」と答えることは、その企業にあなたがあまり関心をもっていないということになってしまいます。短い面接の時間で、あなたの知りたいことがすべてカバーされていたとは考えにくいからです。

コミュニケーション能力がないと思われるから

これも上に書いたことですが、最後の逆質問は、完全に応募者の自発的な発言になります。双方向のコミュニケーションをちゃんととれるかということは、ビジネスパーソンとしての能力をはかる上で、非常に有効です。

逆質問は、何でも聞いていいわけではない

逆質問は自由度の高い質問ですが、何でも聞いていいわけではありません。
質問の内容や態度、言葉の選び方によっては、せっかくPRの機会になるはずだった逆質問が、企業に悪い印象を与えてしまうようなことにもなりかねません。

事前に調べればわかるようなことは聞かない

その会社が提供しているサービスや商品について聞くことは、自分が何も調べてこなかったことを告白するようなものです。ホームページや求人情報に目を通しておけば、そんな質問をすることはありえないでしょう。企業理念や求める人材などについても、ほとんどの場合は公開されているはずです。
ただし、すでに公開されている情報を元にして一歩踏み込むような質問、たとえば「○○という商品がここまでヒットしたのは、他社に比べて○○という優れた点があったからだと思いますが、今後は他社もこれに追随してくると思います。それに対して、御社ではどのような戦略を考えていますか？」といったような質問をすることで、その企業についてちゃんと調べ、市場の動向もある程度把握しつつ、会社について詳しく知りたいという意欲をアピールすることができます。

面接中に出た話題を重ねて聞かない

「それは先ほど説明したとおり……」というような答えが返ってきたら、その逆質問は失敗です。すでに話したことを繰り返し質問してしまうと、話を聞いていなかったという印象を与えてしまうことになります。
いくら「逆質問ではこれを聞こう」と決めておいたことであっても、そのことばかりに気がいってしまって、面接中の会話を忘れてしまうようでは、本末転倒です。
「聞こうと思っていたことはさっき聞いた…」とその場で動揺してしまうのではなく、複数の質問を準備しておきましょう。

待遇面のことばかり聞かない

休日や有給休暇、残業時間、もしくは給与などといった待遇面や、福利厚生のことについてばかり質問すると、仕事の内容や会社そのものには興味がないのかと思われ、入社する前から休むことばかり考えていると思われかねません。

相手にふさわしいことを聞く

面接は複数回あり、相手は人事の採用担当者から現場の責任者、経営者までステップによって変わっていきます。
採用担当者や経営者に現場の仕事の雰囲気などについて聞いても、答えることはできないかもしれませんし、会社としての方針などについて聞くのであれば、やはり相手は経営者であるべきでしょう。

137の逆質問サンプル集

それでは、「何を聞くべきか？」と悩む方のために、ここで逆質問のサンプルを137個紹介します。これをもとに、その会社、その仕事についてのあなたの考えを盛り込んで、オリジナルの質問を用意してください。

自分が働く具体的なイメージを聞く逆質問

1. いま現場で最も重視している数字は、売上金額と新規獲得件数という理解でいいでしょうか？
2. 提案や分析を行うために、マーケティングデータや実績データは社内で公開されているでしょうか？
3. 個人目標はどのように設定されますか？数字以外の成果は評価の仕組みがありますか？
4. 一次面接で○○○が社風と伺いました。この部門ではどんな面にそれが表れていますか？

労働条件を上手に聞き出す逆質問

5. 仕事の繁忙期はいつですか？
6. 休日は部署ごとに違うのですか？
7. 年末年始の休み（お盆休み）は、どのような勤務になっていますか？
8. 転勤はどれくらいのサイクルであるのでしょうか？
9. 勤務地は○○を希望することはできますか？
10. 御社は○○県や○○県に支店をお持ちですが、転勤する方はいらっしゃいますか？どのくらいの頻度で転勤されているのでしょうか？
11. 求人情報には転勤ありと記載がありましたが、転勤の頻度や転勤先のエリアを教えていただけないでしょうか？
12. 前職では週に○時間ほど残業をこなしていましたが、御社では平均どれくらいですか？
13. 今の会社ではどうしても残業になることがありますが、御社は残業についてどの程度まで許容されていますか？
14. 一日も早く皆さんと同じペースで働きたいのですが、皆さんは毎日何時くらいまで仕事をされているのでしょうか？
15. 条件面については御社の規定に従う考えですが、私と同じくらいの年齢、経験の社員の方の年収はどのくらいか教えていただけますか？
16. 私と同じ年齢層の場合、御社の平均年収はどれくらいですか？
17. 年齢と実績から給与が決まるとのことですが、参考までに、どのくらいの経験や実績を積むと○○万円になるのか、事例を教えていただけますと幸いです

面接相手が経営層のときの逆質問

18. ITの導入で社内の効率化が進んだ場合、社員はどこに注力すべきとお考えでしょうか？
19. 今後3年の経営を考えた際、従業員には何を求められるのでしょうか？
20. この部門はこの先も増員していく計画がありますか？
21. 昨年の商品リニューアルによる最も大きな変化は何だったのでしょうか？
22. 今後、御社の主力となるサービスはどの分野だと予測されていますか？
23. 商品のターゲットを拡大することはお考えでしょうか？
24. 御社のビジネスモデルの特徴は○○にあるのではないかと理解しています。このモデルに至った経緯をお教えいただけないでしょうか？
25. 失礼ですが、経営者のお立場にいらっしゃるからこそ見える御社の魅力と今後の課題をお聞かせいただけますか？
26. 創業理念に共感したのですが、どのような背景から設定されたのですか？
27. 御社の◯◯という経営理念に大変共感したのですが、どのようなお考えからこの理念を掲げられたのですか？
28. 御社の理念である◯◯は、社長の◯◯という信念や会社沿革にもある◯◯といったことから培われてきたのだと理解しています。しかし、ちょっとわからなかったのは…
29. 社長が企業経営をなさるうえで、従業員には何を求めていらっしゃいますか？

やる気をアピールする逆質問

30. どれくらいの期間を経て、どのようなステップで実務に入るのでしょうか？
31. 入社後はどの程度の期間どのような流れで、実際の業務に携わるのでしょうか？
32. これまでの経験で◯◯の流れは理解しておりますが、その後の流れについて詳しく伺わせていただいてもよろしいでしょうか？
33. 入社後、すぐに貢献できる仕事やプロジェクトはありますか？
34. もし採用していただいた場合、配属先はどの部署になりますか？
35. 配属先部署の人数や、社員の構成を教えてください
36. 今まで私が積んできた経験で足りないものがあれば教えてください
37. 前職で◯◯という経験を積み、お役に立てると思いますが、足りない経験やスキルがあればお教えください
38. 異業種から転職された方は、どのような勉強をされているのでしょうか？
39. 入社までにどのようなことを勉強しておけば良いでしょうか？
40. 入社までに何か準備しておいたほうがいいこと、勉強しておいたほうがいいことなどはありますか？
41. 志望している部署の仕事について、詳しく教えてください
42. 配属先の同年代の社員の一日の行動スケジュールを教えてください？
43. 配属されるチームの一日がどのようなものか、教えてもらえますか？
44. 現場で大切にしている考えがあれば教えてください
45. 私と同年代で入社し、その後活躍している人でどんな事例がありますか？
46. 活躍されている社員の方の特徴を教えてください
47. 御社で活躍している人に、何か共通点はありますか？
48. 私と同年代で入社して活躍している人がいれば、その方の働きぶりや強みを教えてください
49. 転職した方は、だいたいどの程度の期間で最初の成果を出していますか？
50. 入社までに勉強すべき事や、経験すべき事があれば教えてもらえますか？
51. 配属先の社員の方と面会してお話をすることはできますか？
52. 御社の◯◯という商品に憧れているのですが、その商品に携わる仕事に就けますか？
53. 御社の◯◯という理念に共感したのですが、その実践のために取り組んでいることを教えてください
54. 将来的にはリーダーやマネージャーとして活躍したいと考えていますが、私と同年代で役職についている人はいますか？
55. 御社でリーダーやマネージャーとして昇進していくために、どのような能力が求められますか？
56. リーダーやマネージャーなどの責任あるポジションを目指していきたいと考えていますが、御社ではどのような評価制度昇進制度を取っているのでしょうか？
57. 御社に入社する上で、これだけは覚悟しておいてほしいというポイントがあれば教えてください

自分のスキルや長所をアピールする逆質問

58. 御社の仕事で求められる資質とは何でしょうか？
59. どのようなスキルを身につけておくと、仕事に役立てることができるでしょうか？
60. 御社で活躍するために、私が補うべきスキルはどのようなものでしょうか？
61. 前職で◯◯の実績をあげていたのですが、御社では通用するでしょうか？
62. 今まで◯◯のキャリアを積んできました。御社でこのキャリアを活かすためには何が足りませんか？
63. ◯◯◯を得意としてきましたが、今回の募集職ではどのような力が求められますか？
64. ◯◯◯の資格を取得しています。役立てられるような業務はありますでしょうか？
65. チームワークを重視していますが、配属先のチームで求められる役割は何でしょうか？
66. 御社で活躍するために、努力すべき点は何があるでしょうか？
67. 粘り強い性格ですが、どのような資質が必要ですか？
68. ◯◯に頑張ってきましたが、御社で活躍するために、さらに努力すべき点はありますか？
69. ◯◯◯で培った粘り強さを御社の業務で発揮できる機会はありますか？
70. 我慢強い性格ですが、仕事の負担はどれくらいのものですか？
71. 体力には自信がありますが、勤務時間について教えてください
72. 前職では毎月必ずノルマを達成していました。御社ではどのようにノルマを設定しているのでしょうか？
73. 自分の意見をしっかりと口に出す性格ですが、主体的に意見をすることは許される環境でしょうか？
74. 疑問点があれば上司や先輩の方々にも質問していいでしょうか？
75. 御社でマネジメントを行う立場の方々はどのような取り組みを行なわれていますか？
76. 誰とでも親しくなれると思いますが、配属先の雰囲気を教えてください
77. 部門をこえて交流を図る社風はありますでしょうか？
78. 前職では社内表彰を◯回ほど受け、モチベーションアップにつなげていましたが、御社には社員を表彰する制度はありますか？
79. 前職では◯◯や◯◯といったことに気を使っておりました。御社での仕事内容ではどんなことに気を配るべきでしょうか？
80. 前職では社内でも積極的なコミュニケーションを心がけていましたが、御社の社内の雰囲気はどのような感じでしょうか？

その他、好印象を与える逆質問

81. 御社が中途入社者に期待する点を教えてください
82. どのようなスキルを今後、身につければ、今後の仕事に役立ちますか？
83. 今後予定している事業展開があれば教えてください
84. ◯◯様から見て、会社の魅力や仕事のやりがいは何だとお考えでしょうか？
85. 私と同じような業界職種から転職して活躍している人がいれば、その方の働きぶりを教えてください
86. 社員に求めること、今後こうなってほしいというイメージを教えていただけるでしょうか？
87. 私は御社のサービスの愛用者です。このプロジェクトがスタートしたきっかけなどを教えてください
88. ◯◯職の成果は、どういった観点で評価されるのでしょう？
89. 働きぶりが認められれば、◯◯のポジションにもチャレンジできるでしょうか？
90. 自分は、◯◯の業務に携わりたいので、◯◯の資格取得の勉強をしていますが、頑張り次第では、その業務にチャレンジできるでしょうか？
91. 御社は◯◯会社への事業展開を考えられているそうですが、その営業に参加させていただくにはどうすればいいでしょうか？
92. 機会があれば、御社の◯◯という事業に関わりたいと思っていますが、努力次第で将来的に関わるチャンスはあるでしょうか？
93. 今後の海外での御社の営業戦略を教えてください
94. 弊社では女性の機会均等にも配慮していらっしゃると聞きましたが、何人ぐらいの女性社員がいらっしゃいますか？
95. 将来、出産後も働き続けたいと思っています。産後の在宅復帰についての取り組みと課題について教えてください

するべきではない、NGの逆質問

96. どのような商品が主力なのですか？
97. 御社はどのような商品、サービスを扱っていますか？
98. 御社の〇〇サービスとは何ができるサービスですか？
99. 今後の経営方針は何ですか？
100. 御社の強みは何でしょうか？
101. 御社の強みを教えてください
102. 年間休日は何日ありますか？
103. 長期休暇は取得できますか？
104. 有給休暇の取得率を教えてください
105. 有給休暇は好きなときに、自由に取れますか？
106. 有給はいつから取れますか？
107. 残業はありますか？
108. 前職で体調を崩したのでなるべく残業したくないのですが、◯◯チームの残業時間はどれくらいですか？
109. 家賃補助はありますか？
110. 現場のみなさんはどれくらい残業をしていますか？
111. 福利厚生にはどのようなものがありますか？
112. 福利厚生で御社のチェーン店での割引などはありますか？
113. 自分の経験の場合、給与はいくらくらいから始められますか？
114. 定期的な昇給ベースは平均どれぐらいでしょうか？
115. 給与はどのように決められるのですか？いつの時点で決めるのですか？
116. 平均年収はどれくらいですか？
117. 今回の転職で年収を◯◯万円にアップさせたいと思っているのですが、可能でしょうか？
118. 月給と手当はいくらもらえますか？
119. 前年のボーナスの支給実績は？
120. 入社後、私は〇〇の仕事に携わる事ができますか？
121. ◯◯について勉強したいと考えています。勉強できる環境はありますか？
122. 豊富なキャリアがあるので、それにふさわしいポジションを任せていただけますか？
123. ◯◯の経験が豊富なので、それに相応しいポジションをお約束してくれますか？
124. 何日頃から働き始めることができますか？
125. いつから働けば良いですか？
126. ◯◯の業務をやりたいのですが、何年くらいでなれますか？
127. 入社してから覚えれば大丈夫でしょうか？
128. 御社に入ると、どんな研修が受けられますか？
129. 勉強できる環境はありますか？
130. 能力を伸ばしてくれる環境でしょうか？
131. 御社の雰囲気は全体的にどんな感じですか？
132. 従業員の皆さんは、イキイキと仕事されていますか？
133. 異業種からの転職でも大丈夫ですか？
134. 営業ノルマを達成できないと、どうなりますか？
135. 異業種（異職種）からの転職でも活躍できますか？
136. 転勤はありますか？
137. PL/BSの数字について質問があります。昨年度の数字は…

よくぞ聞いてくれました！面接はラストの逆質問で勝負をキメる　まとめ

いかがでしょうか。
逆質問は、ほぼ確実に質問されることでありながら、多くの志望者が事前の対策準備をしていません。
面接で答えにくい質問にそなえるための13のアドバイス」では、予想した質問に対する対策について紹介しましたが、逆質問の対策はずっと楽なはずです。
企業について調べ、自分の伝えたいメッセージを明確にすれば、逆質問を準備するのは決して難しくありません。
面接は、企業の意図を知ればあやうからずも参考に、企業側の立場に立って考えてみましょう。
面接の終盤で気をぬいてほっとしてしまうのではなく、勝負を決めるつもりで、ばっちり準備して面接にのぞみましょう。