転職活動を行う上で、たいていの人がつまずく壁のひとつが、書類選考です。
応募先企業に提出する書類は、多くの場合、履歴書と職務経歴書です。
履歴書は新卒採用の時に書いたし、アルバイトの面接でも出したことがあるけど、職務経歴書なんて書いたことがないんだけど……と途方にくれてしまう人が多いのでないのでしょうか。
今回は、多くの方が書き方に悩む職務経歴書について、そもそもなぜ必要なのか、おすすめの書き方も含めてご紹介します。
筆者も実際にハローワークの方に聞いてその通りに書き直したところ、書類選考通過率がアップしました。これは試す価値ありです!
門前払いされないための正しい求人応募とは?と合わせてお読みください。
初めて転職をする人は、そもそも職務経歴書がどういうものかということをご存じないのではないでしょうか。
まずは職務経歴書とは何か、なぜ提出したほうがいいのかをご説明します。
職務経歴書とは、あなたの職歴をまとめた応募書類のことです。
学校を卒業してから、どこか1社でも働いた経験があれば、それが職歴になります。新卒採用の時に職務経歴書の提出が必要なかったのは、卒業後の職歴がないためです。
職務経歴書の提出が必要とされるということは、転職では、職歴が鍵をにぎるといっても過言ではないのです。
職歴をまとめるだけなら、履歴書にも書いてあるのだから必要ないのでは?と思ったあなた。
履歴書にあなたの貴重な職務での経験を書き尽くせるのでしょうか。職務経歴書には、単に在籍していた社名だけを書けばいいというものではありません。履歴書だけでは伝えきれない「これまでの経験」と「経験を活かしてできること」をアピールする書類、それが職務経歴書です。
転職で入社する人が新卒入社した人と大きく異なるのは、即戦力となりえることを問われるという点です。そこで、あなたの経験と、あなたができることをアピールすることが必須になるのです。
もちろん、履歴書のみでも応募はできます。でも履歴書の限られた枠内では、あなたの魅力を完全に伝えることは難しいでしょう。そう考えれば、職務経歴書の必要性が少しわかっていただけたことと思います。
では、ハローワークで筆者が実際にレクチャーを受けた職務経歴書の書き方を徹底解説しましょう。
まずは、恥ずかしながら、このレクチャーを受ける前に筆者自身が実際に企業に送っていた職務経歴書の実態をご紹介しましょう。
この職務経歴書を自信満々でハローワークの担当者の方に見せたところ、「これじゃあ…通らないわね」と一刀両断されてしまいました。
そして、以下のようにまとめるよう指導を受けました。
こんな指導を受けて、筆者の職務経歴書がいかに「受かる職務経歴書」と反対だったかということに気づかされました。
あまりに長過ぎたり、読みにくかったりする文章は、選考する担当者の身に
なっていないとみなされてもおかしくないそうです。そして、「この人はこの会社に入って何ができるのか、何をしてくれるのか」を見たいのに、そのことについて触れられていなければ、魅力的に見えないと指摘されました。
さて、これを踏まえ、筆者が書類選考通過率を3倍くらいあげた職務経歴書をお見せしましょう!
職務経歴書
平成○○年○月○日
名字 名前 希望職種 事務 (←応募する求人内容に記載してある職種名を書きます) 志望動機 職務経歴 ○○株式会社(契約社員) 平成27年11月~平成28年7月 身につけた能力 自己PR
(↑自己PRは特に重要です。スキル習得と重複する部分もあるでしょうが、それをふまえてこれからどう仕事に活かしていくかの展望を明記しましょう。) 貴社に貢献するために私が心がけること
◇チームとしてスムーズな仕事ができるよう臨機応変に対応します。 ◇わかりやすい資料作りで、顧客の信頼を獲得し売上につなげます。 ◇いつも前向きに仕事に取り組み、必要なスキルを着実に身につけます。 (↑自己PRをもとに、自分が転職先でどんな人財を目指すのか端的に表現しましょう) |
文字の大きさはすべて12pt以上で、項目を太字にすることで、どこに何が書いてあるかがわかりやすくなっています。また、段落の行頭(インデント)をうまく活用することで、項目の主従関係がわかりやすくなるので、読みやすい構成になっています。つまり、文書のレイアウトも、読みやすさに大きく影響するのです。
また、書く項目の文章も、「なぜ」の部分を明らかにすることで、スキルが身についた背景が伝わるようになっています。何事も順序立てて説明することで、相手に伝わりやすくなるのです。
書類選考で落ちまくっている人は、ぜひご自分の職務経歴書を見直してみてください。
なお、「志望動機」については、面接に呼んでもらえる志望動機は、何を書けばいいの?という記事に詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。
何度も言うようですが、転職において職歴は、その人を見る重要な要素になります。
どんなに華やかな職歴であったとしても、何をしていたのかわからない、もしくは中身のない経歴では意味をなしません。
だからこそ、自分の職務経歴書をつくるのです。職務経歴書をつくる上で、自分の経験の「棚卸し」をする作業が必ず発生します。その際に、自分が何をしてきたのか、改めて見直すことで、これからの転職活動へのヒントをたくさん見つけることができ、自信も生まれてくることでしょう。
履歴書だけで勝負ができるほど、転職活動は甘くありません。他の応募者もあなたと同様、必死で仕事を探しています。だからこそ、手間ひまをかけても、採用担当の方に届く職務経歴書の作成が大切なのです。
これから転職する人も、今している人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。